ギックリ腰、すたすた歩いて帰ることができると、嬉しい!?
ども、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
こちらは徒手調整術研究部の活動が中心になりますので、どちらかというと、整体師な側面ですね。
さて、タイトル通り、ギックリ腰、すたすた歩いて帰ることができると、嬉しい!? ですかね?
なんで、こんな話をするかというと、ぶっちゃけ条件さえ整っていれば、簡単なお話だからです。
「それは藤井先生だからできるんでしょう!?」と先日、都内某所で働く整体師さんに突っ込まれましたが、ええ、私、できますが何か? うん、それくらい普通な話。
これね、段階的なお話なんですよ。
1.実は、神経痛がメインで、組織的ダメージがたいしたことない場合
2.神経痛+蓄積疲労によるからだの歪み(機能低下状態)が甚だしい場合
3.外傷などにより、組織的ダメージが大きく、筋断裂などの程度がひどい場合
まあ、ざっくりとこんな感じにしましょうか。
1.のケースは、要は組織的=からだの筋腱、組織に対するダメージがさほどなく、とっさの動きなどにより想定外の負荷が掛かったために、頭がこれ以上は危険だ! 動かすな!と命令を出している状態なわけです。
ならば、頭の認識が書き換われば、それなりの痛みに落ち着きますので、動けるようになります。
通常、整体、鍼灸などで、「一回で驚きの効果! ぎっくり腰の人がなんと1回ですたすた歩ける手技!!」的な煽り文句で少ない回数であたかも何でもよくなるかの様に偽装しているWEBやチラシなどに記載されているあのケースです。
間違えないでください、どうがんばったところで、薬と違い、からだの仕組みが働くかどうかがポイントである徒手調整術では、治すことはできません。からだが自分で治せる状態へと近づけるだけであり、治るかどうかは本人のからだ次第なんです。
痛みが少なくなる、なくなるのは、その痛みがからだにとって必要がないからです。
修復、治癒はそのあとのお話。
これも、まあ、いくつか条件はありますが、ぶっちゃけ柏手一発で痛み半減とか、起こるといえば起こります。
「ええ~、なんで~!」とまあ、びっくりネタの範囲を超えませんけどね。
2.のケースが実はもっとも多いパターンかな。ぎっくり腰ってね、別名”急性腰痛”といわれるのですが、最後の引き金が直近にあるだけで、実は蓄積疲労型なんですよね。例外は、そうだな激しく転倒したとか車に跳ね飛ばされたとか、まあ、だれがどう考えても外傷のケースですかね? これどちらかというと3のケースなのでなんとも言えないんですけどね。正直、現場で見るケースは少ないですし。ああ、でも一人いたな。レスリングだかプロレスリングだかをやっている人が試合中にやったとかいう案件やったことがありますね。
このケースは重要なポイントは2つ。
1.取れない痛みに対する扱い
2.蓄積疲労に対する扱い
正直、痛みは客観的な改善指標になり得ないという立場なので、痛みに注目する昨今の風潮はいかがなものかと思います。
スタッフ「まだ痛いですか?」
顧客「まだ痛いです。」
当たり前ですよね。
スタッフ「最初の痛みが10として、今どれくらいですか?」
顧客「そんなのわからん」
ええ、これも当たり前。実験をしているわけではないのですから。
ねえ? これでも痛いですか?って聞くの?
ついでにおさらいしておくと、そもそも痛みは体の仕組み上、必要があって出ているんです。
例えばさ、
0.色の禿げたベンチがあります。
1.ベンチにペンキ塗るじゃない?
2.”ペンキ塗りたて”って書いとかなきゃ、乾く前に座ってしまいませんか?
イメージつかない?
0.糊付けしたい紙が二枚あります。
1.糊付けします。
2.すぐに両側から引っ張ります。これで、接着しますかね?
そうならないようにしているのが、”警告”なわけでしょう?
からだの場合は、それが”痛み”なんです。
だからね、治癒を第一に考えた時、取れない痛みはとらない方が良いのです。
ええ、取ってしまうと無理ができてしまうので、さらに傷めてしまうなんてことは多々ある。それを繰り返すと「いつまでも治らない」と言われてしまうのです。
そうじゃなくて、「あなた治す気あります? なら、がたがた言わない」と場合によっては言う必要がなぜか昨今では増えています。
ねえ? 本当にからだの仕組み、勉強したの?
これって高校生までの知識で十分に説明つきますよ。
とまあ、お小言はここまで。
で、次に考えないといけないのが、QOLというお話。Quality of Life=生活の質って話ですね。
〇必要があっても強い痛みは心理的ストレスとして負荷となる。
〇明日、記者会見があって、30分以上座っていなければならないからその間持たせてほしいとか。
〇どうしても明日商談で、鳥取までいかなければならない。
〇ほかに代わりがいないので、明日のレッスンは休めない。
などなど
こういうとき、どうするかって話を本人がしたいことと専門家としてどうしてほしいかとをすり合わせを行う必要があります。
はい、どれだけ鎮痛を図るかです。
この分野はぶっちゃけ話でいうのなら、はり、灸の得意分野です。使えるのならば、鍼灸で対処するのが面倒がない。それでも取れないものは、取れませんから。
手技でとなった場合、私がここで提供するのは二つ。らせんそう流整方、緩消法のいずれかですね。
前者は手技による血流操作、一時的炎症活性化ご、さらに血流促進を促すことで適正な炎症までなぜか落ち着いてしまうという北海道の某氏が継承してきた戦場から生まれた手技。ま、その割には荒っぽくはないんだな、これが。竜虎の方法などがあるんですが、どちらかというと虎法を使うケースですかね。
後者は、身動き取れなかった開発者が自分のために開発した、筋弛緩法。生理学的な研究データもあり、ある程度時間はかかるもの、しっかりとした論理構造に基づいた結果が出るの使いやすい方法論ですね。
3.これは基本的に病院のレベルですね。鍼灸院、整体院レベルで見ることはあまりありませんし、接骨院でもどうでしょうね? ほねつぎの技を捨ててしまった元ほねつぎ師さんたちはどう対応するのでしょうか?
このレベルは筋断裂の程度などが甚だしいので、基本的には”安静”が必要。まあ、稀に来院されて「何とか動けるようにしてくれ」というオーダーを受けることがあります。
「ええ、何とかしますけど、できたら鍼使わせてください。手技ですか? まあ、動かせる範囲広げてかららせんそう流整方ですかね。施術中、そこそこ痛み出ますけど了承してくださいね。で、本来は休みが必要な状態なので、今すぐの用事が済んだらちゃんと治るまで施術しましょうね。」ってそういうレベル。
じゃ、すたすた歩いて帰ることができるレベルは?
通常は、1、2、のレベル。3は信用レベルじゃ足りず、信頼レベルの関係性があれば、正直あまり手を付けない方が良いと思いますよ。ダメだった時に「先生で、だめじゃしょうがない、あきらめます」と言える関係じゃないとね。
では、最後に直近の実例。
肉体労働系公務員。
〇月曜日、夜 ぎっくり腰
〇火曜日 一日動けず
〇水曜日 足を引きずるように来院。
形としては、蓄積疲労型。
1.立ち姿からして左右対称性に崩れ、両腕挙上で左右差大、左右股関節も左右差あり、腰部捻転も左右差大。
2.背部診においても外見上のねじれがある。
3.FSS(Full Scan System)でもチェック、内臓系は平気だが、筋・骨格系に弱化あり。
※FSSについては、岩城憲治、Full Scan Systemで検索!
処置:検査→調整→検査→調整と今回はまとめて検査ではなく、検査して一つずつ調整を加えるような施術をした。
1.股関節の調整(徒手)
2.仙腸関節の調整(徒手)
3.背部 長鍼による透刺※皮膚の下に体に平行に沿うように鍼を入れていく技法
4.上肢からの背部調整(徒手)
以上、あとは歩行などの日常生活の指導をして終了。
すたすた歩いて帰りました。ええ、足も引きずってはいませんでしたね。
この日常生活指導についても書きたいことは正直たくさんあるんですけどね。それはまた今度にしましょう。
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