ある意味、基本中の基本のお話?
ども、おはようございます。
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次です。
昨今業界では、医師と同じ言葉で話せるとか医師並みの知識量とかそういった虚言妄想が広く無理やり浸透させられているような気がします。もし医師と同じ言葉で話したいのであれば、医学部に通って、医師の国家試験に合格し、医師として勤務、独立すればよい。ドラゴン桜じゃないけれど、効率的な学習方法と高い動機づけを維持できれば不可能レベルではないのだから。
私たち現場の施術家に必要なのは、医師並みの知識ではなく、それが自分の手に負えない状況であり、医師に任せるべきだと判断できるかどうかである。
だから医師、病院を必要以上に否定したり、敵視するものではないし、むしろ良き隣人、あるいはメンターとして積極的に付き合っていくものだと思います。
ただ、医学的に問題のあるからだか否かのレベルと、現実生活において不都合のあるからだか否かのレベルは違いますし、私たちの分野と医師の皆様の分野とは一部クロスオーバーすることもありますが、異なる部分があるということですね。それは”尺度”あるいは”見ている角度”が違うからです。
はい、改めまして藤井崇次(泰心堂)です。
今日はちょっとだけ”雑記”という形で基本中の基本のお話をします。
というのもですね、なんというか飛び武器というかなんというかが巷であふれているからです。
確かにそれら新しい技術は積極的に医学的証明(何を証明しているかはいろいろと異なる)を得ようといしていたり、実際に得たりしていて一定の信用の獲得に成功していたりします。開発者の先生方、それらを発展させてきた先生方の活動に頭が下がる思いです。
ただ、その一方で、「どうしたらよいのかわからない」、「結局どれを選べば間違いがないのでしょうか?」、「いろいろ学んだけど、学べば学ぶほど自信が持てなくなる」などという質問のメールが減りません。
ああ、これって外国為替証拠金取引(FX)とかの手法論にも似ているな~とか思います。いろいろありますよね、トレンドフォロー、カウンター、トレンドフォロー型カウンター、レンジ対応型、指標対応型とか乖離率トレードとか、……
状況さえ合っていれば、どれも正しい。状況が合致してなかったらどれを使っても勝てない。
そんなもんです。
で、テクニックを収集して、収集したから勝てると思っていたのが勝てない。じゃ、何が違うのか? 本質をとらえていないから?
”本質”を捉えたロジック~というセールレターに今度は引っ掛かるわけですね。
はい、これうちの業界も同じ。
これってね、”なんでもできる=なんにもできない。”って話なんですよ。
一番は、立場が明確になっていないから。立場が不明瞭だから、自分がどの角度から見ているのかすらわからないわけです。だから「こんな見方がありますよ」、「あんな見方がありますよ」といろいろな見方を教えてもらった、あるいは学んだ時、”自分がどこから見ているのかわからない”ので、それがどういう位置関係なのかわからない。だから使えないんです。
先ほどFXに例えたので、そのままFXで例えますが、1時間足のレンジ対応ロジックと5分足のトレンドフォローというタイプのロジックを学習したとします。
※ある程度の幅の中で値動きが上下している状態をレンジと言います。また 上方向、下方向など全体的にみて一方向的に進んでいる状態をトレンドと呼びます。
「1時間足で画面右上方向に進むアップトレンド、5分足でレンジの場合はどうトレードしたらよいでしょうか?」
こういった状況のときあなたはどうしますか?
ひとつの回答はトレードしない。だって、学んだのは1時間足のレンジ対応ロジックなので1時間足はトレンド相場だから不適当。5分足はトレンドフォローを学んだのでレンジ相場では不適当ですから。得意な状況が来るまで待つというのも大事な戦略です。
細かな行ったり来たりの上下動で呼ばれる階段の踊り場のような波形を描いていることが考えられるので、基本は上昇方向なので下がってきたところをトレンド方向にカウンタ―で入るという手も使えます。何故ならば、5分足の大きな波形に対してトレンドフォロー方向に相当するからです。※あくまでも例えなのでトレードは自己責任+許容リスクの徹底管理でお願いします。
でも、より状況を読めるようになっていると、1時間足で上昇傾向ですので、5分足も大きなスパンで見ると上昇方向で現状がPOSEとかPullBackと呼ばれる細かい上下の値動きで階段の踊り場のような波形を描いていることが考えられるので、基本は上昇方向。なので下がってきたところをトレンド方向にカウンタ―で入るという手も使えます。何故ならば、5分足の大きな波形に対してトレンドフォロー方向に相当するからです。※あくまでも例えなのでトレードは自己責任+許容リスクの徹底管理でお願いします。
じゃ、これうちの業界の話に戻してきます。
何が基本で応用であるかは非常に難しいのですが、私の場合、もともとが鍼灸師であり、母校の恩師小林詔司らは積聚治療というなの根本療法系の手技を通じて、鍼灸施術というもの、人を癒す、治るということについて指導を受けました。
なので私の場合は、スタートは根本療法になります。
根本療法において大事なのは、
1.何を基準=Zero-Positionとして、
2.何を調整するか?
そして
3.それは何をもって確認されるか?
ということです。
基準がなければ検査をしても何もわかりません。何を調整しているのかがわからなければ、結果が出たのかどうかすらわかりません。どこで確認するかがわからなければ状況が変わったこともわからないし、施術を終えることもできません。
積聚治療の場合、からだの”偏り”(気の偏在とその背後の機能低下=冷え)に着目し、それを均す、回す、めぐらすイメージで体が連鎖的に反応する様を観察し、それが終わるのを待ちます。その後、残った局所的な不快状態に対して、残積処理、補助治療という形で対処します。
はい、つまりは根本調整+局所調整が基本なんですね。そのうえで根本調整が十分であり、局所の調整が要らないと判断したとき根本調整のみで終了という施術終了基準を採用。
なので、そもそも私の場合、調整は根本―末梢両方意識して行うことが当たり前なので、迷いが少なかった部分があります。ひとえに恩師らの教えの賜物ですね。
故に、根本療法(本治方)か? 局所療法(標治方)か?、どちらが大事かというまあ、この業界にある問いは、ちゃんちゃらおかしいというのが私の回答になります。
根本療法(根本調整)から始めた場合、それで局所の状況が変わらない、変わる見通しが立たないのであれば、足りないのであり、
局所療法(部位別ごとの調整)で、速やかに回復する見込みが立たないのであれば、それもまた足りないのです。
で、昨今のクライアントのからだを見てみると、まあ、蓄積疲労状態が酷いこと酷いこと。頑張って、無理を重ねて、からだの反応を鈍くして、……時には歪みすら目立たない状態になって来院されている状態。
こんな状態で、一か所、一点、数秒調整でOK! なんてのは余程の熟練の技(主に観察、検査におけるもの)がなければ無茶な話でしょう。
少なくとも「骨盤調整」とか言いながら、「骨盤帯の調整」(腸骨稜、PSISとか)をもってOKとかしているだけだとダメかなと思います。そうじゃなくて、骨盤=仙骨・尾骨の調整ってのは、歩行時のダイナミックな八の字運動が滑らかに行われているかとか、脳脊髄液循環リズムであり、同時に背中の拍動リズムでもある仙骨律動(リズム)がしっかりと感じられるかどうかが大事。
これは車でいうとシャーシの歪みを見ているレベルと、サスペンションの硬さや高さを見るレベルとでは全然違うということです。もちろん長い目で見るとサスペンションの硬さなどはシャーシの歪みに影響を与えますけどね。
でも、からだの歪みと言った場合は、シャーシ=からだの中心軸がちゃんと機能できる状態にあるかどうかの方がずっと大事。
逆にいうと”からだの中心軸がちゃんと機能できる状態”になるのであれば、どこで調整したってOK。
なので、うちでは当たり前に、頭蓋―上部頸椎の調整をして、残ったフォルムの歪み、あるいは関節の運動性の低下などに対する処置を行います。
ええ、場合によっては指先の関節までさらっと見ていき、必要に応じた調整を加えます。
何故か?
泰心堂のコンセプトでは基本的に、からだは自ら治る。(Zero-Position)→治せない状態(自律神経系の機能低下状態、蓄積疲労状態、フォルム=からだの形状が崩れた状態)なので、Zero-Positionに近づければよいだけだからです。
もっとも無理なく調整をかけるために、
1.検査を通じて、からだの状態(フォルムが崩れた状態)を認識させ
2.根本調整系の手技により、からだの反射的調整を促す。
3.残ったフォルムの崩れに対して、今度は末梢方向から中枢方向へと調整を掛けることで、フォルムを整える。
という手続きを通じて、Zero-Positionに近づけます。
結果、自律神経系の機能低下状態が解除され、回復方向へと向かいやすくなるというのがうちのやり方。
どういうやり方でも手法でもよいので、自分はどういうコンセプトで体を見ているかをはっきりとさせることが基本中の基本。
こういう話をする人が少ないからあれ?って思う治療院? が多いんだろうなきっと。
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