上部頸椎調整と泰心堂の基本施術
おはようございます。
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
ここ数日、大久保地域は数値上はあまり気温が下がっていませんが、風があるせいか幾分過ごしやすい日々となっております。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
泰心堂としては、妙に首周りの状態がわるいお客さまが、急増中。
若い人が多いかと思いきや、それがね、中年、あるいは老年が多かったりします。しかも、今週お見えになった方は症状はいろいろ、でも共通してストレートネックと診断が出ているところが興味深いですね。
角度もいろいろ、からだの厚みがあって、枕二個重ねないとキツイ前傾がある人や、見た目そうでもないんですが、触れてみるとあまり前弯がない人など。
頚関係も、一発で取った的な自慢をしている人も業界では多数いますが、自然と一発で取れてしまったのならまだしも、狙って一発で取るのはやり方によっては危険なので気をつけましょうね。
さて、首周り、特に上部頸椎というのはカイロプラクティック系では非常に大事なからだの要所になります。泰心堂では脳脊髄液の循環状態に着目したクラニアルテクニックのほか、この上部頸椎を後頭骨、C1、C2を中心にその歪み方、動きの悪さなどを確認して、ある状態で頭を支え、筋にかかっている張力に影響を及ぼすことで、自然と収まりの良い位置へと戻るように待つ手技を基本に調整を加えています。
まあ、調整をするのはいいけど、なんで?って話をするのが今回のターン。
泰心堂の基本は
1.蓄積疲労状態を解除すること
2.自律神経系の機能低下状態を解除すること
3.そのために解剖学的正位、機能的正位であるZero-Positionに対して体を近づけていくこと
4.その結果、治すのではなく、自律神経系の機能により”治る”状態へと体を持っていくこと
5.最短時間、最小刺激でそれを目指すこと
まあ、こんな感じです。
なので、無理な矯正などは行いませんし、揉み解しなども行いません。
こういった基本方針のもと、基本施術においては、基本チェックポイントと個別チェックポイントを確認したうえで、Therapy Localizationという術を用いて、それらの重要調整ポイントを探知→集約したうえで、施術にかかるようにしています。
施術方法としては局所療法系ではなく、根本療法系をメインに使っているので、重要調整ポイントについて軽く触れておくと
1.頭蓋の状態:脳脊髄液(CSF)循環状態と頭蓋内圧が体に影響を及ぼす可能性。
2・(上部)頸椎の状態:頭ー体を繋ぐ要所。神経伝達の重要な経路であり、重要な動静脈、リンパの通り道の障害が体に影響を及ぼす可能性。
3.筋骨格の状態:筋骨格の位置関係がからだに影響を及ぼす可能性。捻じれ、過緊張、過弛緩、牽引などにより生じた偏位が姿勢や動作に影響を及ぼすことで、自律神経系に影響を及ぼし、結果、からだの機能低下や症状を引き起こしている可能性
などを探っていきます。
ここで、「骨盤をみないんですか?」と聞かれることが多いのですが、仙骨自体の傾きや律動、仙腸関節の状態とそれに伴う下肢や腰回りの連動性の問題をチェックはしていますが、仙骨自体はあまり重要視していません。ほかの調整に伴い連動して自然と収まりの良い位置に収まることが多く、ことさら調整を加える必要性を感じません。
また、いわゆる『骨盤』についてはカイロプラクティック系の基本に則り、泰心堂ではきっちりと仙骨ー尾骨の状態で判断しており、骨盤”帯”のうち、そもそも動きの大きい寛骨(腸骨―坐骨―恥骨の複合骨)を基準に判断するなどということは致しません。
※ふるい分けに使うことは否定しませんが、骨盤というのであれば骨盤帯で評価するのではなく、仙骨―尾骨の状態で評価するべきだと思います。
TLにより重要調整ポイントのいずれかに集約できれば、その最終集約箇所(最上位調整個所)から調整を始めます。そしてTLを行いつつ下位に降りてきて、必要だと思われる調整を加えて、最後、四肢の関節や筋肉に生じている問題をとれる分だけ取って終了。
これが基本施術になります。
さて、今回のお話はストレートネックと絡めてというお話になりますので、もちろんこういった方は上部頸椎だけでなく、頸椎全体にい動きの不自然さが出ていることが多いですね。術者の用語ではアライメントが不良な状態ですね。
そもそも首の良好な状態は、椎骨ごとに十分な遊びがあり、周辺の筋肉も適度な弾力がある状態を指しますが、ストレートネックの人はまず前後の柔軟性が低下しており、ついで回旋方向への遊びがなくなり、側方の遊びがなくなるといった順に偏位(かたより)を起こしているように感じられます。
で、とかく一般的な施術者は、肩回りを解したがる、首を直接もみたがる。
でも、それで良くなっている人どれくらいいますか?
まず私たちが考えなくてはならないのは、その首の緊張、その肩の凝り、現段階でなくしてよいものか?ということです。
そもそもコリって必要に応じてからだの仕組みとしてわざわざ作っているものなので、下手に取り切ろうとするとからだのパフォーマンスが劇的に低下します。筋反射テストなどを前後に行っている先生ならば想定していた結果が出なくて、どうしてだろうと考えた経験があるのではないでしょうか?
これらの現象は、わざわざ”こり”を作ることで、拮抗し、からだのバランスをとっていたにもかかわらず、コリを取ってしまったことで、均衡が崩れてしまい結果的により強い歪みを作ってい待ったことにより、よりからだの機能低下を起こしてしまったということですね。
ここでのポイントは、頭が筋緊張を作ることで、からだを釣り合わせ続けようとしているという状態をどうするか? ということ。
つまり、からだの”認識”としては、コリを維持してなくてはならない状態にあります。
だから、必要のない体のこりが肩こり、首のはりとして残ってしまっているのです。
で、これらの制御をしているのが自律神経系の機能のひとつなわけですから、まずは自律神経系の機能低下状態の解除を目指す。で、からだの状態を認識できる状態へと持っていくことで、からだにとって現時点で要らない筋緊張を認識し、自ら解除する方向へと誘導することです。
その結果として、筋骨格の位置関係が適正な位置に戻ったのならば、そもそも筋緊張を起こす必要がないので、肩こり、首コリは消失します。
消失しないとなると、そのコリは必要があって出ているということになり、現時点で解除してはいけないものとなります。
で、さらに一歩進めて、拮抗筋などを緊張している筋肉に対して逆の役割や、補助的な役割をする筋肉や関節に意識を向け必要に応じてアプローチを掛ける。
このポン療法系の施術にもとづくと、基本的に患部というのは、場所や程度の確認など検査でまず触ったりと確認しますが、施術の順番としては最後にすべきものです。何故ならば、患部が直接的原因であればよいのですが、現実問題として原因があり、それによって派生したトラブルのひとつにすぎないことが多いから。原因を解決することで、派生トラブルが解消されるのであれば、派生したトラブルを虱潰しに対処していくよりも原因を解消した方が早い。
まして、人間のからだは自律神経系により制御維持されているのだから、からだの仕組みや機能を踏まえて考えると、まず行うべきことはおのずと決まってくる。
故に、自律神経系の活性化を狙う、クラニアル、上部頸椎テクニックというのがまず選択肢になっているわけですね。
と最後に現場での施術のポイントに触れておきますが、ストレートネックの顧客に対しての見るべきところのひとつとして、前面の筋肉を忘れてはいけません。強く緊張して頭や頸椎を前方へと引っ張ている筋肉群が緩むと自然と頭が体の上に乗る位置にすっと戻ってきます。この位置に戻るとそもそも後ろに引っ張る必要がなくなるので首肩の後ろ側の緊張は必要がなくなるのですっと抜けます。
と、今回はこの辺で
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