首の調整→腰痛激減の例
どうも、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
本日はネタ帳に記録してある施術例からのお話。
30代女性、習志野市、事務職(PC作業中心)
◇症状:腰痛(腰椎椎間板ヘルニアと診断)、首肩こり、たまに右腕が重怠くて上げるのも億劫になる。
◇見た目:完全頭部前方突出位(いわゆる頚猫背、横から見て頭が肩の中心線より前に出ている状態)。自然に座った姿勢で腰が後傾かつ猫背。一般的には疲れた人がする座り方。
◇検査:
〇頭:頭部拡大状態を確認→脳脊髄液循環、一次呼吸がうまくいっていない可能性の示唆。
〇腕:前方挙上L>R、Rは解剖学的正位を0とし、頭上を180とした時120程度。筋反射テストでもR弱化を確認。
〇脚:股関節可動域L>R、解剖学的正位を0とし、股関節との関係が直角になるところを90とした時、L120、R90で引っ掛かり。筋反射テストでR弱化
〇脚:内旋L>R、右大腿部が内旋位、右下腿部が回外位のため、右内旋の動きが硬い。
〇膝倒し:左に倒すと、右腰に痛み、右肩が浮く
〇仰臥位における頚部前方挙上:腰痛の増悪を確認。
スクリーニング(ふるい分け)
〇キネシオロジーテストを利用(Therapy Localizationによる現象→原因の判別を繰り返す。)
〇上部頸椎 R、胸椎2番R、胸椎10番L、腰椎2番R、S1R
〇自律神経系の今回の最上位調整点-右後頭骨(FSS方式による)
施術:今回の最終調整点は右後頭骨の調整点。
1.上部頸椎に対する調整
今回は初回ということもあり、上部頸椎調整後に再検査。
施術前状態を10としたVAS(Virtual Analog Scale)による施術対象の主観の変化はVAS10→3。間接的な脳脊髄液循環の調整、上部頸椎の調整を行った結果、本人の痛みの感覚が大幅に減少したことから、頚部が本状態に対して大きな影響を及ぼしていたことが窺える。
2.足に対する調整
話を聞いた限り、根本療法系の施術者は骨盤帯(多くの術者が勘違いしている骨盤。実際は骨盤帯のことを指す)ばかり意識しているようだが、骨盤帯(骨盤である仙骨・尾骨、スタビライザーやサスペンションとして機能する寛骨=腸骨・坐骨・恥骨の複合骨)はどちらかというと影響を受けて偏位するに過ぎない。身体構造上、生命機能上、メジャー=原因ではなく、マイナー=現象側に属する調整ポイントのひとつである。つまり、変化しやすい。
これが一般的な骨盤調整では、なかなか症状が改善しなかった理由のひとつ。
解剖学的正位、機能的正位に対して、捻じれていた、足趾、足関節、下腿、大腿の捻じれを戻すことで足元から受ける刺激の最適化と歩行による足元のからの歪みの低減を図る。
3.手に対する調整
(背部揺動による)頭頚部―脚部と来てあとは腕周りの調整で要素が整う。
今回は指周りの捻じれはさほどでもなかったので、手関節(手首)、肘回りを整て終了。
術後の検査では
〇頭部拡大状態→解消
〇前方挙上:左右とも170度付近、180度までもっていきたいがとりあえずはここまで。
〇腕の筋反射テストでは弱化解除。
〇脚挙上:左右とも股関節110付近。※左側が120→110と減少しているが、からだの最適化の結果可動域を減少した方が釣り合いが取れると判断し、変化したのでOK
〇脚の筋反射テストでは弱化解除
〇膝倒し:左右ともスムーズ
本人の主観の変化
施術前をVAS10とした時、VAS10→3(上部頸椎調整後)、→2(手足調整終了後)
手足での変化は大きくはないが、変化量が少なくなっているので、一回の施術としてはここまでで終了する。
この段階では、からだが疲れて歪み、それが継続状態になったことで痛みが出ていたものが取れている状態。
組織損傷の治癒や神経系の回復はこの後、しっかりと栄養と休息をとることでからだの会副作用の一環として起こるので、無理をしないように伝えて終了。
今回は、泰心堂の基本手続きに則って、脳脊髄液循環―神経伝達系の回復を狙う頭蓋―上部頸椎調整、足、手の流れで調整をしていったので、頚部の影響が非常に強いように見える。もちろん、これは逆に手、足の調整からでも変わった可能性はあるが、泰心堂の考え方ではまずは脳脊髄液循環と神経伝達系の経路を整えて、自律神経系の機能低下状態を解除し、からだの状態を認識しやすい状態を作るという原則に従っているので、このような形となった。
なお、今回もそうであるが、痛みの局所=今回の場合、腰痛の最圧痛点については確認時を除いて触れてさえいない。
患部を揉んだり、押し込んだりしなくともからだの状態をちゃんと認識できる状態へと持っていくと筋緊張、血流、神経興奮状態なども自動的に最適化される。
また、この場合、患部に対するダメージ(損傷)が極めて少ないので、その痛みなどの症状が、素組織の損傷によるものか、それとも血行不良や神経過敏、あるいは歪みからくるものなのかがわかりやすいので泰心堂ではこの方式を採用しています。
こんな感じで、今回は終了します。
では、また。
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