たとえばこんな腰痛の方への施術

 おはようございます。

 からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。

 本日はあいにくの雨模様。祝祭日でもありますが、外部での施術です。正直さぼりたいな~とか思っている自分がいます。ええ、音が降りてきた感じ? このままビート’(サトウダイコンではありません。)を作りたい気分ですね。そうはいっても仕事は仕事。準備はすでに済ませてあります。


 さて、本題『たとえばこんな腰痛の方のへ施術』


私:「はい、大きく口を開けて。ゆっくり閉じて、もう一回」

私:「じゃ今度は半開きにして~」

私:「最後、ゆっくり大きく口を開けて~。はい、閉じて~。」

私:「調整終了。では再検査しますよ」


顧客「おお~! 痛くない! 何やったの!?」


施術時間、検査のぞいたら3分未満。検査入れて約15分。

VAS10→VAS02


最近、うちに使えるレベルになった動体療法を用いた腰痛の方への調整の一幕。(音声の一部)

※誤解のないように追記しておきますが、これだけで終わったわけではなくて、これをきっかけに信用を獲得して次の流れに入ったわけですね。


さて、問題。これっていわゆる『腰痛治療』!?


突然、何の話って言われるかもしれませんが、私、はり師、きゅう師ですが、健康保険による接骨院(整骨院)、鍼灸院、あん摩マッサージ指圧院などでの施術(保険施術あるいは療養費対象施術)について非常に否定的な立場です。


その理由は

1.医師の同意書を必要としているにもかかわらず、標準の施術パターンとその指示がないこと

2.その施術をしたことによる明確な効果判定がないこと

3.再同意手続きを行う際に、施術者および施術事業者の審査が厳格に行われていないこと

4.それらの情報の実名公開がないこと。

5.保険(療養費)対象施術範囲と独自方式あるいは自由報酬方式の施術範囲の区別が行われていないこと

6.手続きの煩雑さに対して、報酬が十分でないこと

などです。


今回の私の施術例は徒手調整術の範囲なので当然保険対象ではありません。が、現場での施術においては、例えば腰痛を訴えてきた方に対して腰に触らずに調整を終えることもあります。これは施術者としてのからだの見方や施術に関わる考え方からくる技法の違いですが、これ、まったく知らない一般の方が見た時、腰痛のための施術をしたとは思えないという現象が生じることでしょう。

 そうなった場合、もちろん施術を受けた人が明確な結果を感じた場合、それは肯定されるでしょうが、一般的な視点に立った時にどの程度専門性、専門的な考え方を肯定しうるかという問題を孕んでいます。

 簡単にいうと、鍼灸で療養費対象施術をする場合に、「腰が痛い」と訴える方に対して、たとえば頭に触れる程度の鍼刺激で調整した場合、時と場合によって、療養費対象施術をしていないと訴えられかねないということです。


 つまり、現行制度では施術者が十分に守られません。これが一つの問題。この対策としては明確にパターンを決めてその通り施術をするという方式を順守することが一番の対策になります。業界標準の腰痛A-1パターンの標準施術を〇回行ったとなれば明確と言えば明確ですから。


 二つ目は、その施術が妥当なものであると誰が判断し、いつまで許可するのかという問題です。もちろん状態によっては長期の施術が必要なケースも存在します。ですが、それを誰が判断するのか?その判断を誰が担保する(保証する)のかというお話です。

 現行制度では同意書1枚で約6か月の施術が可能です。で、施術メモ程度の書類数枚だして再同意申請をすると多くの場合許可が出てしまいます。それは施術メモと患者さんの現状とを比較検討する制度がないし、判定基準がないからです。そしてもう一つ大きな問題が、施術の仕方が施術者によって異なってしまうので、単純比較ができないということ。

 もし、6か月やって効果が十分でないあるいはこの施術者で改善の見込みが立たないというのであれば当然に、再同意に対する否認あるいは施術者の変更を指定しての再同意が行われるべきです。

 またそれらの結果を公開すべきです。だって、患者さんからすればどこを選んでいいのかわからないのです。


 さらに、いわゆる保険治療分と自由施術分とが明確に分かれていない場合、保険対象分の施術だけをしてほしい顧客やそうしたい施術者とそうでない顧客、施術者との間に不利益が生じてしまうこと。

 たとえば泰心堂の鍼灸部門(はりきゅう院部分)では、腰痛なら腰痛を訴える箇所を初回の時点で範囲をしっかりと決め、そこにしか施術をしません。当たり前ですが、施術の期間中に別に膝痛や肩こり、頭痛などほかの症状を訴えた場合、保険分の施術をしたのちに対処が必要であれば、あるいは要求があった場合、うちの普段の施術料金を伝え同意と支払い意思があるときだけ施術を承っています。

 こういとき

「○○では一緒にやってくれた」という苦情が来る場合があります。

うちの答えは明確です。

「では、〇〇へどうぞ」

 その代わり、泰心堂では療養費対象施術について、たとえば針灸2術の場合は定められた1590円という施術報酬しか受け取っていません。


 針灸は全人的な医療だから~と不思議なことをのたまう方がいらっしゃいますが、鍼灸が全人的な医療であることと保険施術は異なります。なので明確に区別する方が当然だと思います。保険施術報酬は鍼灸施術の割引券ではありませんから。

 そもそもそういう独自施術をしたいのであれば公的な制度に頼るのではなく、自費、自由施術報酬で行えばよいだけのことです。もし、それを払っていただけないのであれば、そういう顧客に支持されていないというだけのことです。


 最後に報酬のお話をすると正直、経営者視点からすると安すぎます。いつもの施術をしたらスタッフ時給すら支払えません。

 一例をあげると泰心堂の施術報酬の設定は1時間当たりで換算すると16000円~30000円(単価×2~3人)です。

※キャパシティから換算する理論値。普段はそこまで忙しくしていません。


 ざっくりと20~30分の施術で8000円程度と考えておいていただけると良いかと。まあ、普通の価格帯ですね。1分単価が266~400円。一日朝から晩まで詰まっているわけではないので、均して考えるともっと下がります。

 それから療養費の価格を考えて時間計算すると4~6分で施術を終了しないと割に合わないということになります。ぶっちゃけ話30分も60分もかけていられません。

 ええ、3分診療笑えないですよ。さらに事務手数もかかってきます。うちは代理委任制度についても否定的な立場で、そういう制度を利用するのならきちっと利用する側が負担すべきだという考え方のもと償還払い制度一択。償還払いを受けないというのであれば、あたりまえですが保険対応を一切お断りさせていただく予定です。


 所属する師会は保険利用の推奨、利用拡大を目指す立場のようですが、私は逆に廃止して保険利用について病院一本化すべきだという立場です。そしてしっかりと顧客側に選ばれる施術家になることに注力すべきだと考えています。


 最後に「患者さんのために安くしている」と奇妙な主張をされている方に対して反論しておきますが、1時間当たり10人~30人回せれば1000円でも金銭的にはペイできます。施術報酬1000円で1時間10人×7時間なら1日の売り上げが7万円。営業日20日で140万円の売り上げで、場所代がどれくらいですかね?70万円くらいで行けますか? あと光熱費、消耗品、広告宣伝費やらたぶん上手にやれば手取りで20万円程度は残ると思います。2000円だと机上計算なら250万円越え、スタッフ数名雇えなくはないですね。ただ、鍼灸業界って広告宣伝費掛けないからどうやって人を集めるかって問題はあるんですけどね~。


 私は私も、顧客も豊かになれる経営を目指しているので、こんな忙しい場所にしたくないのでやりません。それなりに高級路線で行きたいと思います。

泰心堂 徒手調整術研究部|習志野市大久保|自律神経整体

千葉県習志野市大久保、京成大久保駅近くのめまい、頭痛など自律神経系の不調による症状に強い鍼灸整体院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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