わずか数秒!? 痛みが取れるかもしれない手技
ども、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
本日は火曜日ということで、外部での施術の日です。私のサロンの方へ連絡をいただいた場合、水曜日以降の対応になります。また、外部での施術は、私、”泰心堂”の施術ではないのでご注意ください。
今回のタイトルはよくあるコピーのような感じにしてみました。
『わずか数秒!? 痛みが取れるかもしれない手技』
まあ、私、正直なのでちゃんと”かもしれない”とつけてあるところがポイントです。本当は取れますと書きたいところですが、技術なのでその手技が得意とする状況、不得意とする状況、効果が出る場合、出ない場合、個人差に左右されてしまう場合、など不安定な状態が出ることは否めません。
ということで直近の現場での施術例。
〇40代男性、右脇腹痛。
発症は施術日の三日前の夜。右脇腹が攣るような痛みで目が覚める。しばらくしても収まらず、痛みをこらえながら過ごすも連日の夜間痛。
こういった状態で来院。いくつかある検査のうち、胸腰椎回旋検査(仰向け、膝立の状態で左右に膝を倒すもの)、胸椎回旋検査(仰向け、膝立かつ膝組み状態で左右に倒し、主として胸椎に回旋ストレスを与えるもの)の二つが顕著に引っ掛かる。左回旋時、右脇腹痛。
このテストは大島正樹先生の動体療法 神癒アルファにも用いられているDT5、DT6の検査に相当しますので、コアナジオンやNGIテクニックでも施術結果が出るのではないかと思います。
こういう場合は顧客の強い不安感を解消するために痛みを起こしている部分の特定→施術による変化を見せる方法を取る方が顧客満足度が高い傾向があります。
この例は徒手調整術研究部の方の症例になりますので鍼、灸は使えません。※顧客の希望のため。
そして今回、DRTは脇腹の痛みのため使えません。仰向けDRTも不可。そうなるとDRTクラニアルとかになるのですが、個人的に使い難いので却下。※技術としては凄いともいますが個人的な習熟という意味でその他に比べて劣後しています。
そうなると大きな揺動など患部に対して強いストレスを掛ける手技は避けたほうが良い状況。操体法も使い難い。
とまあ、バックグラウンド処理というか思考があって、結局選択したのが、直接手を当てて緊張を抜く手技。これ、個人としては鍼灸の押し手、接触鍼術の応用技術であり、原理的には中井マサル先生のZero-G Touchに近い。
やり方はとても単純で
1.手を当てる
2.圧の拮抗を作る。※”何”(どのレベル)と拮抗させるかを明確に意識することがポイント
3.手浮かす。※拮抗を崩し、手が離れる方向にわずかに圧を向ける。
4.手の下が緩んだ感覚をもって手を放す。
ただ、これだけ。中井マサル先生はここにもう少しテイストを加えています。現場で数をこなしたからこその素晴らしい見識だと思います。
で、どうしたか、右脇腹の圧痛を確かめる。痛みが出るところまで圧を加える。痛みが出る/出ないの均衡あたりに圧の拮抗する深度があるのでそこで圧の拮抗を作る。手を浮かす。手を放す。確かめる。
基本面圧→点圧→面圧で範囲、最大圧痛を調べ調整を行う。
なぜ、面圧からかというと、ピンポイントで調整点を探るのは実は結構難しいし、あと必ずしも範囲の中心に最大圧痛があるわけではないため。
この手技だけに15分ほど時間を掛けて、本人感覚で痛みがVAS10→3になった。
※VAS:Virtual Analog Scaleのこと。本来はテスト用紙を用意し数直線上にチェックを入れ前後の評価を数値で行う方法。今回は簡易に施術前の状態=10で判断して評価してもらった。なので厳密にはVASではない。
その後、動体療法-神癒アルファーからNGIテクニックを用いて”頭蓋調整”からの調整を加えて合計25分で終了。
NGIテクニックを用いたのは、一つは脇に痛みが出ているため揺動(揺する)系手技が使い難いこと、検査含めて15分以上連続して寝かせ続けているため、そしてベーシックなコアナジオンではなくNGIにしたのはコアナジオンでは頸椎の片側に四指をあてるが、どちらに当てるかの判定が回旋ストレスの変化を利用するために痛みを誘発する可能性があり避けたかったから。
再確認した結果、DT5,DT6相当の捻り動作にて、脇腹の痛みの誘発なし。圧痛は低減。
翌日メールをいただき、「夜間痛が出なかったのが嬉しかった」と伝言いただきました。
その後、2回調整して脇腹痛自体が出なくなったので終了。
「何をしているのかよくわからなかったんですけど、手を当てて痛みを確かめた後に、もう一度チェックされたときに何故か痛みが消えていくのがとても不思議でした」
ええ、こんな感想をいただきました。
ちなみに合計25分ですが、手技自体はそれぞれ秒単位。
手当手技:痛みを確認、拮抗、浮かす、手を放す、確かめるの一連の流れで5~7秒
NGIテクニック:誘導が上手にいけば30秒程度。
本当に秒速改善ですね。ちなみにですが、参考にあげたZero-G Touchは中井マサル先生の手技ですので『Zero G Touch』のDVDを手に入れるか中井先生のセミナーで学んでください。また現在11月12日まで某社で新作『Neo G Touch』のプロモーションをされていますので、検索して購入するのもありだと思います。ちなみにNeo G Touchは私、実は中井先生から直接指導を受けていますが、めっちゃ簡単。筋緊張を緩めるのが苦手な先生は購入して学習するのもありだと思います。ええ、締め切り三日前の記事ですいませんが。
NGIテクニックは大島正樹先生の手技『動体療法 神癒アルファ』のDVDを某所から手に入れるか、大島先生のセミナーに参加ください。
ちなみに私の手技は先ほど解説した通りなので、特に映像化の予定はありません。というか、鍼灸師だったら誰でもできるよね?少なくとも小林詔司先生や石原克己先生などお世話になった先生方はごく普通に自然に、押し手を作っていらっしゃいましたし、たぶん無意識レベルでやっておられるのでないかと思います。
さて、これからで出かけますのでこの辺で。
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