形状(フォルム)って結構大事
おはようございます。
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
人は草臥(くたび)れると、歪みます。
歪みが残ったまま生活するといつも以上に疲れやすい。
それゆえに、”いつも通り”過ごしているつもりでも歪みは増大します。
本来は自分でリセットを掛けられるはずなのですが、
疲労が蓄積してくると、歪んでいるのが当たり前のような錯覚が生じます。
ここまでくると歪んでいるのか、歪んでいないのかからだはわからなくなるので、
私たちのような仕事が必要とされるわけですね。
さて、本題。
ん? なんか写真が違う。まあ、良いか。
私こと藤井崇次(泰心堂)の施術の基本は、蓄積疲労状態に陥り、自分で自分の調整が効かなくなった状態に対してリセットを掛け、Zero-Positionに近づけることです。
だから泰心堂式徒手調整術=Zero-Reset。
まあ、ぶっちゃけ話、奥義ですね。
ただ、完璧な”からだ”ってのは理論上や理想論的にはあり得ても現実的ではないわけです。
だって、一人ひとり違う人間だし、同じように見えて微妙に骨格の違いや筋などのテンションの違い、あるいは反射係数の違いなど身体構造や生理機能にだって微妙に差異がありますから。
みんな一緒というわけにはいかないのです。
だので、「目指すはZero-Position!」で実際のところは”機能的姿位=Functional Position”に合わせていくことになります。
FPは辞書を引くと”良肢位”とか訳されますが、現場で考えていることは大きく分けて三つ。
1.来院時の状態よりもマシな状態であるか?
2.必要のない歪みが取れ、からだの機能が(現段階において)十分に働ける状態にあるか?
3.痛み、不快感、運動制限などが軽減または解消し、顧客の悩みが改善、解決に至ったか?
これらは施術の前後の検査を通じて確認されるべき事項である。
検査については、病院や医師のように診断のための検査ではなく、
第一に緊急性の除外、
そして第二に現状確認、
第三にアプローチの検討と効果検証のためのものである。
また検査項目は、静的状態=動きを伴わない状態で行うべきものと、動的状態=あえて動かすことで状態を確認するものとがある。
前者の代表的なものは、聞き取り検査(問診やヒアリング)、目視による形状(フォルム)の観察や接触による感触変化の確認(接触覚、痛覚などを利用した検査)など
後者の代表的なものは、関節可動域制限の確認動作や筋反射テスト、疼痛誘発動作など
人によって必要な検査は若干異なるが要件定義を上手にすると、ある程度共通する基本テスト項目みたいなのを定めることは可能。
泰心堂の場合は、静的なものでは聞き取り検査、目視による形状観察、動的なものでは可動域確認と筋反射テストなどいくつかの項目を基本検査として毎回利用している。
あとはキネシオロジーを利用したテストなども。
ざっくりとしたふるい分けとして活用しているのは実は目視による形状観察とその変化。
確かにモルフォロジー(形態学)、モルフォセラピー(形態学的身体調整術)を学んだ影響はあるが、それ以前に、幼少から現在に至るまでカメラ十数台が故障するまで撮りまくった撮影経験から養われた”目”を利用した形状確認は財産と言っても良い。
多くのもの、多くの光景、数多くの人々を撮ってきた経験値と、基本基準の骨組み、姿勢を見て、スケッチして、骨格模型を触って、何千、何万もの顧客を調整してきた経験から、形状観察をすると調子のよい人、悪い人、調子のよい時/悪い時の形状が自然と目につくようになる。
ただ、気を付けておくべきことはある。
それは、そもそも生活上、仕事上、競技上、”偏り”がある方が”最適”である人たちがいるということ。
そう、実は人の歪み方には種類がある。
ひとつは、疲れて歪む。(本来は一時的なもの)
ひとつは、疲れが取れずに歪んだままでいる。(歪みの固定化)
ひとつは、外力による歪み(交通事故や外傷などによる器質的物理的な歪み。骨の変形)
そしてもう一つが、(環境)適応の結果歪むということ。
実はこれらが、私が何が何でもZPではなく、より自然なFPに合わせようとしている理由である。
アスリートのからだを見たことがある人はわかるかもしれませんが、からだ歪んでいます。ええ、一般人など比じゃないくらいに。
野球選手やゴルフの選手などは非常に分かりやすい。歪んでいるからこそ競技におけるパフォーマンスが発揮されるのであって、これを前後左右均等など偏りのない状態にするとパフォーマンスが低下する。
そしてその筋肉などの発達具合とその動きをみると、かえって歪な動きに見える。
歪んでいる方が、自然で、きれいな動きに見える=機能美という矛盾。
でも、それが実際。
まあ、とはいってもトップアスリートを見るなんてのはあまり日常的ではないので、一般的な話に戻していくと、機能的姿勢(FP)における所作は非常に滑らかである。生活に適した均衡状態にあるので、日常生活的に引っ掛かりもないし、極端な痛みや疲労感もない。逆にあったとしたら生活が身の丈に合っていない可能性がある。※筋力的な問題や過密スケジュールなどの問題。
なので、まずはここを目指すことになる。
で、人によっては筋力不足や運動性の低下(連動性の低下)などが原因な場合は所作の変更などが必要になる。
こうなると現場での施術の問題よりも、筋トレの問題だったり、歩行動作や起座動作など日常動作の最適化の問題になったりする。
ちなみにここの問題が引っ掛かってくるようなからだの状態まで戻ってきたら、私の場合は操体法などを利用したからだの使い方の話を施術の合間にちょっと入れてみたりしている。
と施術時間になりましたので半端ですがこのあたりで。
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