キネシオロジーのテストとからだの流れについて
あいにくの雨模様のスタートです。
ども、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
「なんかいきなり夏が来て、梅雨が来て、からだがついていけません」そんなコメントから施術が始まったのが昨日のこと。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
私はというと、こんな感じです。
さて、本日のお話は、『キネシオロジーのテストとからだの流れ』ってお話を少し。
まず、ここでいうキネシオロジーのテストは科学的分析に基づき筋肉の関係性と機能を研究する学問としてのキネシオロジーというよりも、カイロプラクティック×東洋医学→アプライドキネシオロジーの産物として登場したキネシオロジーのことで、ジョージ・グッドハート医学博士の提案したTouch For Healthなどと関連が深い技術であり、O-ringテストなどの筋反射テストの類のお話です。
一応、私の立場を軽く説明しておくと、キネシオロジーのテストを盲信、信奉しているわけではなく、あくまでも便利な物差しのようなもののひとつとして扱っています。つまり施術においては、常に複数の角度からからだのサインを確認して施術を組み立てています。
さて、お話を始めましょう。
このキネシオロジーのテスト(筋反射テスト)は簡単にいうと、ある質問や検査に対して、脳がストレス(負荷、あるいは負担)を感じるかどうかを筋肉の反応から類推するテストです。
1.質問を場に提示する
2.一定の形式に従い筋反射検査を行う
3-1.ストレスが掛かった場合、筋反射が一時的に阻害され、脱力傾向を示す。
3-2.ストレスが掛からなかった場合、筋反射が速やかに行われる。
詳細な話は専門の研究者がいるくらいなので、ここでは突っ込まないようにします。
で、この話を鍼灸師にすると、「嘘くさい」とか「信用できない」とかいう方が大半なんですけれど、実は、鍼灸師の一部が妄信している”脈診”も原理的には筋反射テストですし、てい鍼や皮膚鍼などで確認する快方向、不快方向の確認もまた実は同様。操体法で使う快不快も使い方によっては同じ原理に基づいた反応と見做すことも可能です。
まあ、それはそれとして、私の場合、現場でどのように使うかというと、
1.からだの部位の確認に使う。(骨、筋肉、内臓、皮膚、神経、ストレスなど数多くの項目にわたる。)
2.TLの方法を用いて、施術個所の集約に使う。
3.施術後の確認に使う
このほかにも顧客と一緒に確認する可動域検査や弾力や感触の確認など必ず複数の検査からからだの状態がこうだろうということを(施術者-顧客の双方に)意識づけるすることにしています。
今回のお話は、速やかにスイッチが入る/入らないではなく、力の方向性や流れのお話ですね。
この辺のお話を言及されている方は実は結構多くて、お名前を挙げきれないほどです。
私個人としては、例の万有引力と天気図、ベクトルそしてむかし理科で習ったコリオリの力ですかね。
コリオリの力はオイラー力と遠心力の兼ね合いで実は結構難しい計算式で求められるのですが、これかなり難しい。なんというか自転やらなんやらの回転力にともなう遠心力によって物体は吹き飛ばされ続けているとでも考えてください。で、あとはその場にとどまりたいという重力=万有引力由来の慣性の力とで釣り合っているからその場にあり続けながら、かつ移動することができるわけですね。
さらに天気図を掛け合わせてみると、渦巻くような力が働いて良そうだなとか思うわけです。
そう言えば、DNAも二重らせん構造で~
とかこじつけて、たぶん螺旋形の力が人体(物体)に働いているのでは?とかいう話になるのかなと。
まあざっくりと自転方向に対する水平方向の力(横軸)と垂直の力(縦軸)とで均衡を取ろうとして、それぞれの流動的なベクトル(力と方向)を合成すると螺旋形になるってことでしょうね。
まあ、細かい関節の動きなんかを見ても、直線運動しているものはほとんどなく、ストレートパンチなどの直線的運動も回転しながら伸展屈曲していますし、振り向くなどの回転運動自体にも伸展屈曲が伴いますからね。
細かい話ですが。
私が現場で見ているのはその動きが滑らかか/ぎこちないか、強調されているか/隠されているかなど極端なものを見ています。
立場的には、”滑らかなのが普通”という側にいますので、ぎこちない場合、ぎこちなくしているからだの事情がありますし、強調されている場合は強調している事情、隠されている場合は隠されている事情が存在します。
で、それが構造的なものや習慣的な最適化されたものなのか、それとも蓄積疲労による機能低下状態なのかを振り分けるわけですね。
なぜ、これをするかというと、ひとのからだは左右対称ではないからです。でもなぜか、この業界的には左右を揃えたがります。もちろん、からだの反応の結果、揃うのは否定しませんが、仕事などにより最適化されている場合はそもそも偏った状態の方が適正だったりします。この意識を忘れてスポーツ選手の対応をすると、施術後パフォーマンス低下が引き起こされたりしますので要注意ですね。※それでもその後の練習などで偏ってくるのでアスリートレベルでなければ問題にならないことが多いのですが……
話を少し戻しましょう。
〇人体に螺旋形の力が掛かっているのではないか
〇人体には左右差がある
ここからさらに進めて、明確に人体の左右にそれぞれ縦、横があるといったのが鹿児島の内司和彦先生。縦軸横軸理論ですね。
某所から第二弾のDVDが発売だそうで、大変興味深い内容になっているのは間違いないでしょう。
左右の差を意識した調整という意味では、四肢誘導調整法の綿貫幸雄先生(天秤堂)なども大変面白かった。今なお、便利に使わせていただいています。
さて、些か、散文的ではありましたが、キネシオロジーのテストとからだの流れというところでどんなことを考えているのだろうというところのほんの触りの部分を書かせていただきました。
本当は、とあるキネシオロジーのテストを用いて、からだの力の流れを調べるという方法まで書きたかったのですが、文中の快不快方向を調べる話がそれなので書かなくてもいいかなとふと思ってしまいました。小児鍼や皮膚鍼の技法を行う鍼灸師にとって常識的な話なのでね?
たまにというか頻繁にというか、「どうやったらよくなりますか?」とか「どうすれば治療効果がありますか?」とかメールをいただきますが、私としては、『当たり前のことを当たり前に、丁寧に行えば当たり前の結果が出ます』というのが本音。皆さんが疑うべきなのは、その当たり前って何なのかって話であって、特殊な技の話ではありません。
そもそも論として、施術者にとっても”当たり前”でない技って、要は結果が出るか不安ってことでしょう? それって受ける側も不安になりますよね。
だから、どんな技でも良いので、それを自分のものにして”当たり前”のレベルにする、あるいは腑に落ちる状態までもっていくということが大事なんだと私は思います。
これ以上は、積極臭くなるのでこのへんで。
では、また。
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